どうも節約・投資担当の「つみたてにいさん」です。
投資信託だけではなく、個別株投資にも興味があるけど、株式投資における独特の用語(個人的に「株語」と名付けます。)がわからないという人は一定数おられるかと思います。
株を知るためには「株語」の習得が不可欠!!ということで分かりやすく用語を解説することを目的とした「株語講座」の第2回として「PER」を紹介してみたいと思います。
「PER」とは何か?
「PER」とは「Price Earnings Ratio」(株価収益率)の略で、株価が1株当たり純利益(EPS:Earnings Per Share)の何倍になっているかを表す指標です。
「EPS」は「1株当たりの当期純利益」を計算するものでしたね。
「EPS」については第1回【株語入門】「EPS」についてで説明したので割愛します。「EPS」を確認したい場合は以下の記事を参考に見てもらえると幸いです。
話を戻すと「PER」とは「現在の株価が1株当たり純利益(EPS)の何倍の値段がつけられているか」を見る投資の尺度です。
「PER」を見ることでその株が「割安」か「割高」かを判断することができます。
株価は先行指数であり、今の成長が続けば「これぐらいは行けるだろう」という投資家の「期待値」が反映されています。将来の収益拡大の期待が株価に織り込まれていることから「EPS」に対し、株価は何倍も高くつくことになります。現在の日経平均株価の「PER」が「12-15倍程度」であることからも株価は実際の「EPS」よりも、何倍も高くついている状況がわかるかと思います。
つまり「PER」が高いほど投資家の期待値が高いということです。
「PER」で何がわかるの?
「PER」で何がわかるかというと、現在の株価が企業の利益水準に対して割高か割安かを判断する目安として利用されます。
「PER」の数値が低いほうが「割安」、高いほうが「割高」と判断されます。
「割安」か「割高」かを判断するためには基準が必要です。
一般的に上場企業の場合、「PER」の値は「15倍」がひとつの水準とされています。 また現在の日経平均株価の「平均PER」は「12~15倍」程度なので、それ以下の銘柄は1つの基準として「割安」なんだなー考えれるとひとまずは良いのではないでしょうか。
ただし一般的に利益成長の高い会社ほど、将来の収益拡大の期待が株価に織り込まれるため、『期待値が高い=「PER」が高くなる』傾向にあります。
そのため実際のところはセクター(業種)によって平均「PER」はまちまちです。
つまり「PER」が何倍だから割安、割高という「絶対的な基準」というものはありません。業種によって「PER」の平均値は異なるためです。そのため、同業種間や経営内容の似ている企業間で「割安」・「割高」の判断に用いることが前提になるということは頭に入れて置くとよいでしょう。
「PER」は投資家の期待値でもあるので「PER」が高ければ高いほど人気が高く、低ければ低いほど人気が低いです。そのため株価の暴落時には割高な「PER」が高い銘柄ほど売られやすくなります。
そのため、自分が購入する銘柄の「PER」が同業種間で相対的に高くないか、まずは比較検討するようにしましょう。
「PER」の算出方法
「PER」の算出方法は以下の計算式で求めることができます。
PER=株価÷EPS
具体例を交えて実際に「PER」を算出してみましょう。
株価 | 3240円 |
EPS | 306.4円 |
3240円÷306.4円=10.6倍
上記計算式に当てはめて計算すると、上記の銘柄のPERは10.6倍ということがわかりました。ちなみに今回の具体例で取り上げた銘柄は【日本電信電話】でした。
実績PERと予想PER
「PER」には「実績PER」と「予想PER」があります。
「実績PER」は過去の実績に基づく「PER」のことを指します。そのため基本的に「実績PER」は不変です。なぜなら過去の実績に基づくからです。
「予想PER」は来期の予想の業績に対する「EPS」を元に株価を予想利益で割って「PER」を指します。そのため予想より業績が悪くなった場合「EPS」も下がり、「予想PER」は上がってしまうことから予想より「割高」となり、株価が下落しやすくなります。
逆に業績が好調で企業が上方修正(予想よりも業績が良かったので業績の予想値を引きあげる)の発表をした場合は、「予想PER」が下がることで「割安」となり、株価は上昇しやすくなります。
まとめ
以下が「PER」のまとめです。
- 「PER」は割高か割安かを判断する目安
- 「PER」=投資家の期待値
- 同業種間や経営内容の似ている企業間で比較する
- 暴落時には「PER」が高い銘柄から売られる
- 「実績PER」は過去の実績で不変
- 「予想PER」は変動する
以上、今回は【株語入門】「PER」についてという内容でした。少しでもみなさまの参考になれば幸いです。