どうも節約・投資担当の「つみたてにいさん(@tsumitate_nisan)」です((“Q(・ω・*)
投資信託だけではなく、個別株投資にも興味があるけど、株式投資における独特の用語(個人的に「株語」と名付けます。)がわからないという人は一定数おられるかと思います。
株を知るためには「株語」の習得が不可欠!!ということで分かりやすく用語を解説することを目的とした「株語講座」の第12回として「配当利回り」を紹介してみたいと思います。
「配当利回り」とは何か?
まずは「配当利回り」とは何か解説していきましょう。
「配当利回り」とは「購入した株価に対し、1年間でどれだけの配当を受けることができるかを示す数値(割合)」です。
計算式は以下のようになります。
・ 配当利回り(%)=1株あたりの年間配当金÷株価×100
簡潔に言うと「企業が現在の株価に対してどれぐらいの配当金を出してくれるかという割合」になりますね。
それではこの「配当利回り」について一緒に勉強していきましょう((“Q(・ω・*)♪
「配当利回り」の基準は何%?
まず「配当利回り」の基準は「3~4%」を1つの目安とするのが良いと思います。
例えば配当利回りが「1%」や「2%」など場合、回収するのに長い年月がかかってしまいます。勿論、過去の配当金の推移を確認し、長期増配傾向であれば取得金額に対する配当利回りは持ち続けるほど上がっていくので配当金の推移や利回りに納得できれば投資を行うのもありだと思います。以下は配当金が横ばいの場合の回収年数です。
・1%=回収に100年かかる。
・2%=回収に50年かかる。
・3%=回収に33年かかる。
・4%=回収に25年かかる。
・5%=回収に20年かかる。
このように配当利回りが高いほど、回収できる年数も早くなります。
そのため、「配当利回り」が「高ければ高いほど沢山配当が貰える」ことになりますが、配当利回りが5%を超える場合は「業績に問題があり減配懸念がある」、「一過性の特別配当を内包していて減配懸念がある」等「投資家が今の株価や来期以降の配当金に疑問を持っている」状態であることが多いので警戒した方が良いでしょう。
そのため狙っている銘柄の配当利回りが「5%以上」の場合は以下の点に留意して投資判断を行っていきましょう。
・特別利益、記念配当等、一過性の配当になっていないか。
・配当性向は高すぎないか。
・株主還元方針内容に問題がないか。
・過去5年~10年の配当金は長期増配傾向か。
「配当性向って何だっけ?」と言う場合は第10回の記事で復習しましょう。
つまり配当利回りが低すぎると回収に時間がかかってしまい、配当利回りが高すぎると「投資家が現在の株価や現在の配当やその先の配当に疑問を持っている状態」と考えられるため、個人的には「長期増配傾向の企業」で「配当利回り3%~4%」の銘柄を中心に集めていくのが良いと考えます。
「配当利回り」が上がる条件
「配当利回り」は「配当利回り(%)=1株あたりの年間配当金÷株価×100」という計算式からもわかるように日々変動する株価の影響を受けます。
それでは「配当利回りが上がる条件」を確認してみましょう。
①配当金が増えた(増配した)場合。
②株価が下落した場合。
①配当金が増えた(増配)した場合
まずは配当金が増えた場合(配当が増える事を「増配」と言う)ですね。具体例を見てみましょう。
【例】株価1000円、配当金35円の会社が5円の増配を発表した場合
【発表前の利回り】35円÷1000円×100=配当利回り3.5%
【発表後の利回り】40円÷1000円×100=配当利回り4%
②株価が下落した場合
次に株価が下落した場合ですね。具体例を見てみましょう。
【例】株価1000円、配当金35円で買った会社が株価875円まで下落した場合
【購入時の利回り】35円÷1000円×100=配当利回り3.5%
【現在の利回り】35円÷875円×100=配当利回り4%
「配当利回り」が下がる条件
それでは次に「配当利回りが下がる条件」を確認してみましょう。
①配当金が減った(減配した)場合。
②株価が上昇した場合。
①配当金が減った(減配した)場合
まずは配当金が減った場合(配当が減る事を「減配」と言う)ですね。
具体例を見てみましょう。
【例】株価1000円、配当金35円の会社が5円の減配を発表した場合
【発表前の利回り】35円÷1000円×100=配当利回り3.5%
【発表後の利回り】30円÷1000円×100=配当利回り3%
②株価が上昇した場合
次に株価が上昇した場合ですね。具体例を見てみましょう。
【例】株価1000円、配当金35円で買った会社が株価1167円まで上昇した場合
【購入時の利回り】35円÷1000円×100=配当利回り3.5%
【現在の利回り】35円÷1167円×100=配当利回り3%
今の配当利回りを下限とする戦略
配当利回りが高い銘柄であっても安定していなければ長期で保有するのが難しくなってしまいます。そのため、以下の2点について確認を行う事で「絶対」とは言えませんが、比較的確度の高い投資を行うことができます。
①企業の株主還元方針を確認する。
②過去の配当金の推移を確認する。
企業の株主還元方針を確認する
企業によっては明確に株主還元方針を開示しています。以下のキーワードが入っていると比較的安定した配当を受け取れる企業になります。
①累進配当→前年と同額または前年以上の配当を目指している。
②DOE(株主資本配当率)→ざっくりと1株純資産に対する配当=比較的安定配当と捉えると良い。
例えば【8316】三井住友FGの「株主還元方針」は以下の内容となります。
株主還元は、配当を基本に、機動的な自己株取得も実施してまいります。
配当は、累進的配当方針および配当性向40%を維持し、ボトムライン収益の成長を通じて増配を実現してまいります。
そして実際の配当の推移は以下の内容となります。
【例】三井住友FGの取得単価:1272円(2021年より特定口座で保有)
2021年 | 2022年 | 2023年 | 2024年(予) | |
配当金 | 70円 | 80円 | 90円 | 120円 |
取得額に対する配当利回り | 5.5% | 6.2% | 7% | 9.4% |
過去の配当金の推移を確認する
株主還元方針が明記されていなくとも、過去の実績から実質的に累進配当である銘柄と判断する方法も現在の配当利回りを下限とする1つの方法になるかと思います。
初心者にとって最もわかりやすい投資対象の判断基準としては、個人的に「連続増配ランキング」の入っている企業の株を配当利回りに納得できるタイミングでPFに加えるという手法です。「連続増配」とは文字通り毎年配当を増やし続けている企業のランキングであり、安定的に配当を毎年増やせるという事はそれだけ安定した企業と判断することができますからね。
連続増配年数 | 企業名 | 株価(2024/12/30) | 配当利回り |
34年 | 花王 | 6,388円 | 2.38% |
28年 | リコーリース | 5,240円 | 3.34% |
25年 | SPK | 2,150円 | 2.79% |
25年 | 小林製薬 | 6,230円 | 1.64% |
24年 | 三菱HCキャピタル | 1,042.0円 | 3.84% |
23年 | USS | 1,377.0円 | 3.02% |
22年 | プラネット | 1,250円 | 3.48% |
22年 | トランコム | MBOで上場廃止予定 | – |
21年 | ユニ・チャーム | 1,302.5円 | 1.13% |
21年 | リンナイ | 3,259.0円 | 2.45% |
21年 | 芙蓉総合リース | 11,700円 | 3.85% |
21年 | みずほリース | 1,056円 | 3.79% |
21年 | KDDI | 5,042円 | 2.88% |
21年 | 沖縄セルラー | 4,350円 | 2.76% |
21年 | サンドラッグ | 4,024円 | 3.23% |
20年 | サンエー | 2,906円 | 1.89% |
20年 | パン・パシフィック | 4,316円 | 0.79% |
【例】【8566】リコーリースの配当金の推移
まとめ
最後に今回の「配当利回り」のまとめになります。
- ・配当利回りは株価に対しどれぐらいの配当を受けることができるかの割合。
- ・配当利回りは3~4%が1つの目安。
- ・配当利回りが低すぎても、高すぎても良くはない。
- ・配当利回りが上がる条件は「増配」または「株価の下落」
- ・配当利回りが下がる条件は「減配」または「株価の上昇」
- ・「連続増配」、「累進配当」で今の配当利回りを下限とする戦略も!
以上、今回は【株語入門】「配当利回り」についてという内容でした。少しでもみなさまの参考になれば幸いです。