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【株語入門】「信用倍率」について

どうも節約・投資担当の「つみたてにいさん(@tsumitate_nisan)」です。

ブログに遊びにきていただきありがとうございます。

投資信託だけではなく、個別株投資にも興味があるけど、株式投資における独特の用語(個人的に「株語」と名付けます。)がわからないという人は一定数おられるかと思います。

株を知るためには「株語」の習得が不可欠!!

ということで分かりやすく用語を解説することを目的とした「株語講座」の6回目の記事として「信用倍率について紹介してみたいと思います((“Q(・ω・*)

信用倍率」を理解することで、あなたの注目する銘柄の株価が上がりやすいか、上がりにくいかを判断する1つのものさしを獲得することができるかと思います。

先に「信用倍率」を理解しやすいように別の言葉に言い換えます。

信用倍率」=重力です。

ん?重力??と思うかもしれませんが、少しずつかみ砕いて解説したいと思います。

なお、今回のテーマである「信用倍率」を理解するためには前提として「信用取引」の知識が必要となります。信用取引」に関しては、前回の5回目の記事で解説しているので参考にしてみてください。

【株語入門】「信用取引」について どうも節約・投資担当の「つみたてにいさん(@tsumitate_nisan)」です。 ブログに遊びにきていただきありがとうござ...
つみたてにいさん
つみたてにいさん
少しでもわかりやすく説明できるよう努めてみます!

「重力」とは何か?

ジャンルが変わってしまうのでこの説明がいるかは悩みましたが説明しましょう(笑)

「重力」は質量を持つ二つの物体の質量の積に比例し、物体間の距離の二乗に反比例して働く引力(万有引力)を指します。別名「重力相互作用」といいます…すみません、理解から遠ざかってしまったかもしれないので以下のイメージだけ理解してください(笑)

・「重力」=1倍は「地球の重力」と思ってください。

・「重力」=1倍以下は「地球の重力より軽い」(例:月)

→重力が軽い星でジャンプすると高く飛べる。

・「重力」=1倍以上は「地球の重力より重い」(例:木星)

→重力が重い星でジャンプしても高く飛べない。

ここに関しては、このような雰囲気の理解で問題なしです。

「信用倍率」とは何か?

さて、今回の本題である「信用倍率」とは何か?について解説していきましょう。

「信用倍率」とは、信用取引の「買い方」と「売り方」のマーケットにおける取り組み状況を表す指標で、「信用買い残÷信用売り残」で計算されます。この倍率が1倍よりも大きければ、「信用買い残」が「信用売り残」よりも多いことを示し、逆に1倍よりも小さければ、「信用売り残」の方が「信用買い残」よりも多いことを示します。

つみたてねえさん
つみたてねえさん
んーっ…どういうこと?
つみたてにいさん
つみたてにいさん
これからもう少しかみ砕いて説明するので、一緒にどういうことなのか見ていきましょう♪

「信用買い残」とは?

まず「信用買い残」を理解するために、第5回の「信用買い」をおさらいしましょう。

「信用取引」で株を買うことを「信用買い」と言います。「信用買い」と言っても厳密には「借りてきたお金を元手に株を証券会社に建て替えてもらうこと」でしたね。つまり株の権利は証券会社にあり、証券会社にお金を建て替えてもらっている状態です。

信用買い

お金を建て替えてもらっているということは、いずれは建て替えてもらっているお金を返済するために株を売らなければいけません。「信用取引」において顧客が証券会社から借りている株券や資金を返済するため、担保となっている株券を売却する必要があります。

つまりこの「信用買い残」とは投資家が「信用買い」で保有しているまだ決済(お金の返済または現引き)されずに残っている株式の残数のことを指します。 

「信用買い残」が多いということは、返済しなければならない株が多いということを指します。つまり「将来の売り圧力が多い」ということです。売り圧力、つまり株を売りたい人が多いということは株価が上がりにくくなります。以下のような流れです。

「信用買い残」多い→売りたい人が多い→売り圧力→株価が上がりにくい

ここまでは大丈夫でしょうか。それでは次に「信用売り残」について解説します。

「信用売り残」とは?

次に「信用売り残」を理解するために、第5回の「信用売り」をおさらいしましょう。

信用売り(一般信用)

「信用取引」で株を売ることを「信用売り(空売り)」と言いましたね。「証券会社からレンタルして受け取った株なので、実際には株を持っていない状態(空)なのに株を売ることができる(売り)」から「空売り」です。

信用売り(空売り)」は株価が高い時に借りた株を売って、株価が下がった時に株を安く買い戻すことで、下落局面においても差額分の利益(キャピタルゲイン)を上げることができる手法でしたね。

「信用売り(空売り)」をわかりやすく例えると「TS●TAYAで借りてきたDVDをメ●カリで転売し現金化する」見たいな感じでした。(ちょっ!!?笑)

わかりやすく例えただけなので、絶対にマネしないでください(2回目)

おさらいはここまでです。「信用売り」を行った後は、基本的には再度同じ株を購入してレンタルした株を証券会社へ買い戻して返済する必要があります。 

「信用売り残が多い」ということは、「将来的に買い戻さなければいけない株が多い」ということを指します。つまり「将来の買い圧力が多い」ということです。買い圧力、つまり株を買いたい人が多いということは株価が上がりやすくなります。以下のような流れです。

「信用売り残」多い→買いたい人が多い→買い圧力→株価が上がりやすい

ここまでで「信用買い残」、「信用売り残」とは何か?が何となく理解いただけたかと思います。これで「信用買い残÷信用売り残」で計算される「信用倍率」の理解に入れますね。

それでは具体例を用いて「信用倍率」を理解していきましょう。

「信用倍率」1倍≒地球の重力

さてここまでで「信用倍率」を理解するための要素を色々見てきました。

「信用倍率」は「信用買い残÷信用売り残」でしたね。

この「信用倍率」を重力に当てはめて理解するとわかりやすいと思います。まずは「信用買い残」が10万株、「信用売り残」が10万株の場合を考えてみましょう。この場合の「信用倍率」は以下の数値となります。

信用倍率」は「信用買い残÷信用売り残

→10万株÷10万株=1(信用倍率1倍)

この場合は「買い圧力」と「売り圧力」が均衡状態なので特にどちらの圧力があるという訳でもありませんね。「重力」で言うと「地球の重力=普通の状態」と思いましょう(笑)

「信用倍率」1倍以上≒地球の重力より重い

次のケースを見てみましょう。「信用買い残」が10万株、「信用売り残」が1万株の場合を考えてみましょう。この場合の「信用倍率」は以下の数値となります。

信用倍率」は「信用買い残÷信用売り残

→10万株÷1万株=10(信用倍率10倍)

この場合は「買い圧力」が「売り圧力」の10倍なので「信用買い残」が多いということになります。「重力」で言うと「地球の重力の10倍」…これはもう「惑星ベジータ」です(笑)

「重力」が大きいと「ジャンプしようとしても高く飛べない」でしたね。

これと同じように「信用買い残」が多いと「売り圧力」が大きいため株価は上に上昇しにくくなります。つまり「信用倍率」が高い株は上値が重いと言えます。株価が上がろうとしてもそこで利益確定して株を売ろうとする人が多いので上がりづらいからですね。

つみたてにいさん
つみたてにいさん
上がろうとしても売り圧力によって下げられる株価の個人的なイメージとして「天津飯の新気功砲を食らい続けるセル(第二形態)」です(笑)

「信用倍率」1倍以下≒地球の重力より軽い

次のケースを見てみましょう。「信用買い残」が2万株、「信用売り残」が10万株の場合を考えてみましょう。この場合の「信用倍率」は以下の数値となります。

「信用倍率」は「信用買い残÷信用売り残

→2万株÷10万株=0.2(信用倍率0.2倍)

この場合は「買い圧力」が「売り圧力」の0.2倍なので「信用売り残」が多い(売り長)ということになります。「重力」で言うと「地球の重力の0.2倍」なのでほぼ月ですね。

「重力」が小さい=「ジャンプすると普通(地球)より高く飛べる」でしたね。

これと同じように「信用売り残」が多いと「買い圧力」が大きいため、株価は上に上昇しやすくなります。つまり信用倍率」が低い株は上値が軽いとも言えますね。株価が下がろうとするとそこで株を買い戻して利益確定する人が多いので底値が固く、株価が上がると損切して買い戻す人がいるので、と買い圧力によってさらに株価は上がってしまいます。

「信用倍率」の注意点

なお、「信用倍率」はあくまで傾向の分析に使える1つのものさしなので、絶対そうなるという訳ではありません。あくまでそうなる可能性が高いといえるといったものです。ただ分析の精度をあげるために、いくつか留意する点があるので最後にそれらを紹介しましょう。

優待権利が近い銘柄は当てにならない

優待銘柄の権利月には「現物買い」と「信用売り」を同時に行う「クロス取引」を目当てに「信用売り」が多く行われます。そのため人気の優待銘柄は権利月に「信用倍率」が1倍以下になりやすいですが、この「信用売り」は、権利月の直後に「現物買い」と「信用売り」を相殺して決済されてしまうので売り圧力にはなりえません。

そのため、あなたの狙っている銘柄の「信用倍率」が低かったとしても、優待の権利月であるなら、それは幻の「売り圧力」であり「売り圧力」にはなりえないと考えるのが賢明でしょう。

出来高に対して残数が少ない

1日の出来高に対してどれだけの「信用買い残」、「信用売り残」があるかという観点から分析することは大切です。例えば1日の出来高に対して「信用売り残」の残数がめちゃくちゃ少ない場合は1日で簡単に消化されてしまう残数なので「売り圧力」にはなりにくいからです。

1日の出来高に対して何倍もの「信用売り残」があり、「信用買い残」を圧倒している場合は、「買い圧力」が高いと判断しても良いでしょう。

まとめ

以下が今回紹介した「信用倍率」のまとめです。

  • 信用倍率」は信用買い残÷信用売り残で算出される
  • 「信用買い残」が多い=売り圧力が高い
  • 「信用売り残」が多い=買い圧力が高い(売り長)
  • 信用倍率」=重力
  • 信用倍率」1倍以上=重力が重い=株価が上がりにくい
  • 信用倍率」1倍以下=重力が軽い=株価が上がりやすい
  • 「優待権利月」の「売り長」は当てにならない
  • 「出来高」に対してどれぐらいの残数があるかは重要

今回の「信用倍率」は株探などでも銘柄の情報の1つとして明記されているので、この観点から狙っている銘柄の買い判断をしてみるのも1つの方法でしょう。

つみたてにいさん
つみたてにいさん
今回の【株語入門】がみなさまのお役に立てれば幸いです。
つみたてねえさん
つみたてねえさん
次なる【株語入門】も乞うご期待だね♪

以上、今回は信用倍率」についてという内容でした。少しでもみなさまの参考になれば幸いです。

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つみたてにいさん
幼馴染のクリエイター気侭之優とともに本ブログ「気侭之 優のフリ→ト→ク」を運営する2級FP技能士。「節約・貯蓄・投資」の「家計三分の計」を軸に、お得情報や投資情報など再現性が高いと思った情報をお届けしたいと思います。軍師として読者の皆様の家計改善や資産形成のお役に立てる献策ができるよう日々精進します((“Q(・ω・*)

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