どうも節約・投資担当の「つみたてにいさん」です。
投資信託だけではなく、個別株投資にも興味があるけど、株式投資における独特の用語(個人的に「株語」と名付けます。)がわからないという人は一定数おられるかと思います。
株を知るためには「株語」の習得が不可欠!!ということで分かりやすく用語を解説することを目的とした「株語講座」の第8回として「時価総額」を紹介してみたいと思います。
「時価総額」とは何か?
「時価総額」とは「1株当たりの株価×発行済株式数」で計算され、対象の企業の規模を示しているものといえます。ちなみに「1株当たりの株価」は「EPS×PER」で算出することができます。
つまり「時価総額=EPS×PER×発行済株式数」ということになりますね。
「EPS」については第1回【株語入門】「EPS」についてで、「PER」については第2回【株語入門】「PER」についてにて説明したので割愛します。「EPS」や「PER」について復習したい場合は以下の記事を参考に見てもらえると幸いです。
なお、TOPIX(東証株価指数)を算出する際に使われている「時価総額」は、上場株式数のうち大株主などの安定株主の保有株数を除いた浮動株数(=上場株式数×浮動株比率)をもとに計算されています。
「時価総額」は「時価総額」と言うように「1株当たりの株価」は変動するため、株価の変動と共に日々変動を受けます。株価が上がれば「時価総額」は大きくなり、株価が下がれば「時価総額」は小さくなります。
「時価総額」をもう少しイメージしやすくするために毎回恒例の例えを出していきたいと思います(笑)
「時価総額」は「重量」!
「時価総額」を掴むための個人的なイメージとして「時価総額=企業そのものの重さつまり『重量』」になります。
需給の多さ(値動き)が「風の強さ」とすると「重量」が軽いと大きく動いてしまいますが、重量が重いほど影響を受け辛いかと思います。つまり「重量」もとい「時価総額」が小さいと値動きは大きくなり、「時価総額」が大きいと値動きは比較的小さくなります。
投資初心者はどっしりとした「時価総額」の大きい銘柄を中心に選定する事で比較的安心して投資に臨むことができます。
「時価総額」による株の分類
「時価総額」を見ることでその株が「大型株」か「小型株」かを大別することができます。
株は時価総額別に「小型株」、「中型株」、「大型株」に大別することができます。なお、それぞれの時価総額を厳密に定めたものは見つからなかったので、明確な答えはないと考えますが、概ね以下の基準で大別しておけば問題ないかと思います。
・小型株:時価総額1000億円以下
・中型株:時価総額1000億円以上3000億円以下
・大型株:時価総額3000億円以上
最初に投資するなら「大型株」、ある程度土台が定まってきたり、経験値を積んできたら「中型株」、「小型株」もポートフォリオに加えて行くとよいでしょう。
それぞれのメリットとデメリットを交えてみていきましょう。
大型株
大型株は時価総額が大きい株のことを指します。具体的な定義はありませんが時価総額が「3000億円以上」を1つのラインとしておけば問題がないかと思います。
大型株のメリットは時価総額が大きく、流動性が高いことが挙げられます。流動性が低いと買いたい人と売りたい人が限られてくるので売りたい値段で株を売れないというデメリットがあります。その点、大型株は流動性が高い銘柄が多く、株を売りたいときも売りたい値段で手放すことができます。また流動性が高いため、値動きも比較的小さく、投資開始にあたり値動きになれるのに適している点もメリットとして挙げられます。
大型株のデメリットとして時価総額が既に大きいので大きく成長する余地は限られます。
例えば、時価総額100億円の会社は株価が10倍になっても、発行株の数が変わらなければ時価総額は1000億円程度と中型株に到達する程度の水準となりますが、時価総額が1兆円の会社が10兆円になる(10倍になる)のはハードルがかなり高いと言えます。
中型株
中型株は時価総額が大型株ほど大きくないものの小型株よりは大きい株のことを指します。具体的な定義はありませんが「時価総額1000億円以上3000億円以下」を1つのラインとしておけば問題がないかと思います。
中型株のメリットとして大型株程時価総額は大きくありませんが、小型株より時価総額も大きいので、安定感と成長余地の両方がある銘柄が多い印象です。デメリットとしては大型株程流動性が高くないため、売りたいときに売りたい金額で株を売れない可能性が挙げられます。
小型株
小型株は時価総額が小さい株のことを指します。具体的な定義はありませんが時価総額が「1000億円以下」を1つのラインとしておけば問題がないかと思います。
時価総額が小さいため、成長余地(のびしろ)が大きいメリットになります。10倍株と言われるような銘柄は小型株から生まれることが多いです。一攫千金的な要素も強いため初心者には少し心もとない株が多い印象です。
小型株のデメリットとして流動性が小さく売りたいときに株を売れないことがあります。また流動性が低いことから値動きが大型株に比べて激しく、精神的な負荷は大きくなりがちです。
まとめ
最後にまとめです。以下が今回の「時価総額」のまとめになります。
- 「時価総額」は企業の規模を判断する目安で日々変動する
- 「時価総額」を例えるなら「重量」!
- 時価総額で分類すると「大型・中型・小型株」に大別
- 大型株は値動きが小さく、小型株は値動きが大きい
以上、今回は【株語入門】「時価総額」についてという内容でした。少しでもみなさまの参考になれば幸いです。