どうも節約・投資担当の「つみたてにいさん(@tsumitate_nisan)」です((“Q(・ω・*)
投資信託だけではなく、個別株投資にも興味があるけど、株式投資における独特の用語(個人的に「株語」と名付けます。)がわからないという人は一定数おられるかと思います。
株を知るためには「株語」の習得が不可欠!!ということで分かりやすく用語を解説することを目的とした「株語講座」の第10回として「配当性向」を紹介してみたいと思います。
「配当性向」とは何か?
まずは「配当性向」とは何か解説していきましょう。
「配当性向」とは「企業の最終的な『儲け』である1株純利益(EPS)のうち、どれだけの割合を配当の支払いに向けているか」を示す指標です。
配当性向の算出には第1回「【株語入門】「EPS」について」に出てきた「EPS」と1株当たりの配当金を使って算出します。
簡潔に言うと「企業の株主に対する配当での利益還元の度合いを示す尺度」ですね。
それではこの「配当性向」について一緒に勉強していきましょう((“Q(・ω・*)♪
「配当性向」は1株純利益に対する配当での還元割合!
まず「配当性向」は「1株純利益に対する配当での還元割合」を指します。
例えば「EPS(1株純利益)が100円、1株当たりの配当金を40円出している企業」があるとします。この企業の「配当性向」は以下のように算出します。
・1株当たりの配当金 ÷ EPS × 100 = 配当性向(%)
→ 40円 ÷ 100円 × 100 = 40%
つまりこの企業の配当性向は40%ということになりますね。
さて、この株主にとってこの配当性向は高い方が良いものなのでしょうか。
近視眼的には配当性向が高いほど、配当がいっぱい貰えるから嬉しい(=つまり高ければ高い方が良い)ということになりますね。
しかしながら長期的な視点であれば高ければ高い程良いというものではありません。理由として、純利益は株主還元(配当金や株主優待、自社株買い等)だけに使われるものではないからです。
企業は純利益を使って利益還元以外にも様々なものに資金を活用します。例えば、業績拡大のための設備投資や財務基盤を強化するための内部留保に使ったりします。
つまり株主還元だけに利益の全てを使ってしまうと、その企業は今後の成長投資に利益を活用できないことになってしまうからですね。成長なくして増配なしです。
それではこの「配当性向」の割合を測るためにはどれぐらいの割合が丁度良いといえるのでしょうか。これから一緒に考えてみましょう。
配当性向 ≒「収入における家賃の割合」!
はい!毎度おなじみ例えるシリーズです(笑)
健全な配当性向をわかりやすく例えると配当性向は「収入における家賃の割合」です。
「配当性向…家賃?…うっ、頭が…」と言う方のために具体例を一緒に見ていきましょう。
それでは早速、具体例と併せて収入における家賃の割合を想像してみましょう。例えば手取り25万円の人が家賃5万円の場所に住んでいたとしたらどう思うでしょう。
ちゃんと想像してみてくださいね。
収入に対する家賃の割合 = 5 ÷ 25 × 100 = 20%
→収入に対する家賃の割合は20%
それでは次に手取り25万円の人が家賃20万円の場所に住んでいたとしたらどうでしょう。
収入に対する家賃の割合=20 ÷ 25 × 100 = 80%
→収入に対する家賃の割合は80%
最後に手取り25万円の人が家賃30万円の場所に住んでいたとしたらどうでしょう。
収入に対する家賃の割合=30 ÷ 25 × 100 = 120%(100%以上)
→収入に対する家賃の割合は100%以上
さてさて、伏線回収です!(早っ)
話を戻してこの収入と家賃の関係性に近い数式に見覚えはないでしょうか。
そう、それが先ほどの「配当性向」というやつです。
・1株当たりの配当金 ÷ EPS × 100 = 配当性向(%)
→ 40円 ÷ 100円 × 100 = 40%
今回の例から「収入における家賃の割合 ≒ 配当性向」と考えると基準とする配当性向を理解しやくなるかと思います。
つまり配当性向が低ければ、もっと家賃(配当)を出す余力があるので「家賃(配当)を増やす余力がある」と言え、配当性向が高すぎると無理して家賃(配当)を払っている状態なので「余力がない=家賃を減らす(配当を減らす)可能性」が高くなり、収入(1株純利益)より家賃(配当)を多く払っている状態という事であれば「収入(1株純利益)以上に家賃(配当)を払っている状態=タコ足配当(健全な状態とは言えない)」という事ですね。
なお、ずっと配当性向が低すぎる場合も注意が必要です。「もっと高い家賃(配当)が払えるのに安く抑えているドケチさん=還元に積極的ではない企業」かもしれないからですね。
なお、最近はPBR1倍割れ是正の動きや株主還元強化の流れから配当性向を段階的に引き上げてくれる企業が増えています。(ex.全国保証やリコーリース)
この場合は配当性向が低いほど、今後の増配余力があると言えますね。
またFP技能士として申し上げると「収入に対する家賃の理想的な目安割合は30~40%(3割~4割)」です。
つまり「家賃≒配当性向」と考えるなら「配当性向」も同様に30~40%を1つの目安と考えるとわかりやすいかもしれませんね。
まとめ
最後に今回の「配当性向」のまとめになります。
- ・配当性向は企業が得た利益のうち、どれだけを配当金として株主に還元しているかを表す指標。
- ・配当性向 ≒ 収入に対する家賃の割合と考えるとわかりやすい。
- ・配当性向は30%~40%が適正な水準。(家賃も!)
- ・配当性向が高いほど、配当が減るリスクがある。
- ・配当性向が低いほど、配当を増やせる余力がある=低いほど良い!
- ・ずっと配当性向が低い企業は還元に積極的ではないかも。
- ・企業によって配当性向の還元方針が出ているので確認の上、検討しよう。
以上、今回は【株語入門】「配当性向」についてという内容でした。少しでもみなさまの参考になれば幸いです。